TOP > 研究内容に関心をお持ちの方へ > “地域への愛着”という概念

1.地域への愛着の定義
日常生活圏における他者との共有経験によって形成され、社会的状況との相互作用を通じて変化する、地域に対する支持的意識であり、地域の未来を志向する心構えと定義されています(大森他,2014)。
2.地域への愛着の性質
“地域への愛着”は、何かきっかけさえあれば、多くの人が抱く気持ちです。地域での生活を通して、私たちの内面に湧き起こります。この“地域への愛着”は、時とともに変わります。また、自分から他者、他者から自分に広がりを見せます。人は、“地域への愛着”をもつことで、周囲の人や自然、地域のものを大切にするでしょう。ひとりひとりのちょっとした気持ちの持ちようによって、人や地域は豊かになるのです。しかし、“地域への愛着”は、人間関係と結びついているために繊細であり、努力を怠ると消えてしまうかもしれないのです。
3.地域への愛着を構成する4つの概念
“地域への愛着”という概念には、<人とのつがながりを大切にする思い><生きるための活力の源><自分らしくいられるところ><住民であることの誇り>という4つの意味が含まれています。
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人とのつながりを大切にする思い
地域の人たちとの交流を通して暮らしの営みを分かち合えていることにありがたさを感じ、この地域の一員として周囲の人たちとのつながりを大切に思う気持ち
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自分らしくいられるところ
この地域には自分の原点や大切な思い出があり、ここに自分の居場所を見出し、安らぎや安堵感を得ることができているという安寧的な感覚
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生きるための活力の源
この地域での暮らしの営みに楽しく専心することができ、そこから生きていくための活力源を得ることができているという闊達的な感覚
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住民であることの誇り
この地域の住民であることに誇りを感じ、この地域の人たちと共に自分たちの地域の良さを守り、より良くしていきたいという願いやかかわろうとする気持ち
4.地域への愛着をもつことによる効果

文献
- 大森純子, 三森寧子, 小林真朝, 他(2014):公衆衛生看護のための“地域への愛着”の概念分析.日本公衆衛生看護学会誌, 3(1), 40-48.
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