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1.プログラムの概要
回数:全4回(土曜日の13:00~15:00(15:30))
時期:H26年8月~9月
場所:千葉県内で20年程前に大規模開発された新興開発住宅地の一地区内のコミュニティセンター
参加者:20名 (男性7名・女性13名)
運営スタッフ:進行係1名、記録1名、プログラム担当1名・講師1名・研究メンバー6名程度
2.プログラムの実際
1タイトルと構成
“地域の愛着”を育む健康増進プログラム『桜台を好きになってますます元気になろう!』
タイトル | 目標と育む構成概念 | |
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第1回 | 桜台に住むわたしたちこれからよろしくご近所さん |
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第2回 | わたしの桜台ほっとスポット桜台のここが「いいね!」 |
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第3回 | わたしの桜台ほっとスポット桜台には眠っている価値がある |
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第3回 | わたしたちの桜台ほっとスポット桜台には眠っている価値がある |
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第4回 | 桜台の未来と私の未来を語ろうステキなまちにはつづきがある |
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2プログラムの内容
-
第1回「桜台に住むわたしたち」
これからよろしくご近所さん- オリエンテーション
- アンケート
- 自己紹介
- 講義“地域への愛着”と私たちの健康
- 交流プログラム「何の花、何の色」
- 写真ミニレクチャー “こと”を撮るということ~上手な写真といい写真~
- 次回案内
- のんびりカフェ&トークタイム
-
第2回「わたしの桜台ほっとスポット」
桜台のここが「いいね!」- オリエンテーション
- グループワーク「これが私のお気に入り」
- 今日の振り返り・次回案内
- のんびりカフェ&トークタイム
-
第3回「わたしたちの桜台ほっとスポット」
桜台には眠っている価値がある- オリエンテーション
- グループワーク「桜台の素敵マップを作ろう」
- 成果発表
- 次回案内
- のんびりカフェ&トークタイム
-
第4回「桜台の未来と私の未来を語ろう」
ステキなまちにはつづきがある- オリエンテーション
- 前回までの振り返りから「10年後のわたし、明日からのわたし」
- グループトーク「夢を語り合いましょう」
- アンケート
- グループインタビュー
- のんびりカフェ&トークタイム
3.プログラムの効果
1データの収集方法
① 質問紙調査
プログラム開始の直前、最終回終了直後 会場
日常生活における変化について1・3・6ヶ月後 郵送法・介入前後の変化を測定する尺度(“地域への愛着”尺度)
・近隣地域に関する認識の変化に関する自由記載② グループインタビュー
最終回終了後、会場にてグループ毎にインタビュー

2データの分析方法
① 量的データ(数値データ)
プログラム開始直前から終了後6か月までの5時点の“地域への愛着”尺度の各因子および合計点数の変化の比較(分散分析)
② 質的データ(言語データ)
・インタビューの録音から文字におこし、内容分析
・自由記載をテキストデータにし、内容分析
地域への愛着の変化、および関連する日常生活における変化の意味内容を抽出しました。
3データの分析結果(量的データ:数値)
“地域への愛着”の変化(尺度合計得点数の変化)

プログラム開始直前(同66.4±11.8点)とプログラム
終了直後(同71.5±10.4点)・終了後3か月(同73.4±10.9点)
終了後6か月(同73.1±12.5点)の間
※5%水準で有意差がありました(Bonferroni法を用いた多重比較)
プログラムへの参加は地域への愛着を長期間にわたって維持・増進する可能性が示唆されました。
4データの分析結果(質的データ:言語)
住民のプログラム参加のきっかけは、
<地域や人々とつながりたい>という交流への要求
<写真が好き>
<テーマと健康との関連を知りたい>
というプログラムに関心を持ったことでした。
そして、プログラム終了時、1か月後、3か月後、6か月後の参加者の日常生活における変化を分析したところ、次の通りでした。
-
終了時
参加することで近くに住む人々との<地域交流の機会>となり、地域への<新たな意識が広がり>、この地域で生きていこうという<未来への希望>を持っていました。
-
1か月後
参加者による自主グループが結成され、人のつながりを楽しみ<地域への関心の深まり>を実感し、具体的ではないが<地域の活動に参加したい>と感じていました。
-
3か月後
<地域に親しみ充実した生活>を送っていると感じ、周囲と積極的に関わる姿が見られ、ボランティア活動など<地域のために役に立ちたい>という思いを持っていました。
-
6か月後
<地域への愛着を実感>し、健康増進や防災対策など具体的な地域の課題に関する活動に関心を持ち、継続している<自主グループ活動の地域への発展>を望むようになっていました。
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