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ご近所づくりは地域づくり(交流促進プログラム)

新興住宅地に居住する50~60歳代女性を対象とした、近隣他者との交流を促すプログラムの効果と意義を検討することを目的に先行研究を行ってきました。

佐倉市・聖路加国際大学共同実践研究事業として、健康増進課保健師と大学研究者が共同で、50~60歳代女性を対象とした近隣他者との交流を促進するプログラム『10年後の暮らし(未来予想図:未来の樹)を描こう!』を考案しました。

プログラムは、前期高齢女性のQuality of life(生活の質:以下、QOL)を高める身近な他者との交流の特徴を示す概念「気遣い合い的日常交流」と、その交流の相互行為を示す構成概念「日常的相互関心」「共感的相互理解」を核に、居住・地域の暮らしのなかでの主体的な健康増進を意識づける構成内容としました。

全体プログラム

  • 第1回 10年後の私 「50-60歳代の女性の心と体の変化」
  • 第2回 10年後の私たち 「私たちの過去・現在・そして未来」
  • 第3回 10年後の私たちの暮らし Part1「カメラを持ってまちへ出よう」
  • 第4回 10年後の私たちの暮らし Part2「希望の葉・不安の葉」
  • 第5回 10年後の未来予想図:未来の樹 「今から私たちにできること」

実施の直前と直後、1・6・12か月後にQOLの認識を問う質問紙調査、直後と6か月後に日常生活と近隣他者との交流に関する意識の変化を問うインタビューを行いました。参加者24人のうち全調査に回答した者は19人、平均年齢59.47 (標準偏差4.98)歳でした。QOLの認識は、心理・社会的側面、すなわち幸福感と社会関係の認識において6か月後と12か月後に有意な変化がみられました。その理由に、直後から6か月に起こった日常生活と近隣他者との交流に関する意識の変化が考えられました。プログラムと自主グループの活動を通じ、未来への前向きな姿勢、仲間意識近隣コミュニティへの関心や愛着、住民としての使命感と行動等、10年後を見据えた前向きな変化がみられました。

プログラムは、個人・集団・地域の多次元レベルの効果をねらえる、中高年女性のQOLの向上と維持を支援する近隣コミュニティ単位の公衆衛生活動として有用性が確認されました。

参加者の声

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